シャープのラクティブエア新モデルEC-AR3SXをレビュー・とにかく軽い!
シャープのラクティブエアは軽量化にこだわって作られており、とり回しがしやすいということで話題になりましたが、その3世代目といえるモデルのEC-AR3SXが登場しています。
今回はこのEC-AR3SXをゲットしたのでレビューしてみたいと思います。
EC-AR3SXは何が変わった?
と、その前に何が進化したのがちょっとチェックしみます。前のEC-AR2SXとくらべて
- 大風量高圧3Dファンモーター搭載で吸引性能が30%アップ
- 新構造のヘッドで壁際に強くなりラグマットも越えやすくなった
- 弱モードが30分から32分と少し運転時間が伸びた(自動モードは20分強モードは8分で同じ)
- 付属品にハンディノズルが追加された
- 排気の部分が仕様変更
- ふとん用ノズルの形状が変わった
といったあたりが目につく変更点です。
これらもふまえてレビューしていきたいと思います。
開封
こちらがEC-AR3SXの箱。シャープらしい?黒ベースの色使いです。
箱にはMADE IN CHINAの文字。
箱を開けると梱包方法のイラストと内容品一覧表が書かれています。
さらに開けると内容品がお目見え。
全て取り出して並べてみます。
本体・ヘッド・延長管・すき間ノズル・スグトルブラシ・ハンディノズル・タテヨコ曲がるすき間ノズル・はたきノズル・コンパクトふとん掃除ヘッド・バッテリー2個・充電器・説明書という内容。
付属品が多いのが特徴です。
RC-AR3SXの本体
デザイン面で大きな変化はありません。持ち手の部分はクローズド方式。
本体左側にはバッテリーランプがあり、電池の残量を教えてくれます。
- 点灯・・・残量充分
- 点滅・・・残量が少ない
- 0.2秒間隔の速い点滅・・・残量が無くなるorバッテリーが熱くなっている
という具合に点灯の仕方で状態を判断できます。
もうちょっと細かく残量が分かると良かったですが。
排気の部分はプレートのようなものが装備されています。「SOFT AIR FLOW SYSTEM」との記載が。排気を分散させることで勢いを軽減していると思われます。
上下からの写真。上部後方には操作ボタンが配置されています。
下側後部にはバッテリーが。
こちらが操作ボタン2つ。「弱|強」のボタンと「自動|切」のボタンです。
弱・強・自動の3つのモードがあり、「弱|強」ボタンを長押しすると数秒フルパワーで稼動することができます。
フルパワーモードは3~4秒ぐらいしか使えないのでどこまで役に立つかは微妙なところですが・・・
本体の後方にはバッテリー取り外しボタンがあります。ちなみに本体後方の丸い穴はネジ留めのための穴なので、掃除機の機能とは関係ありません。
ダストボックス
ダストボックスはワンタッチで着脱が可能。
こちらがダストボックス。分解すると5つのパーツになります。
説明書で確認すると、写真下側左からダストボックス。筒型フィルター(下)・筒型フィルター(上)・フィルターカバー・高性能プリーツフィルターという名前のようです。
ちなみにダストボックスを外した本体側はこんな感じになっています。
本体側にもフィルターが搭載されていますが、こちらはお手入れ不要。取り外さないよう注意書きがあります。
黄色いのはお手入れブラシ。
ダストボックス内は特筆すべきところはなさそう。
筒型フィルターはこんな感じ。こちらも特別な機能はなさそう。
相変わらずプリーツフィルターが搭載されています。軽さにこだわった分なのかフィルターレスにすることはなかなか難しいようです。
ヘッド(吸込口)
ヘッドは幅約22cmでコンパクト。
ヘッドの差込口は立ったままになるのが特徴です。この構造と後述の延長管の機能が合わさって、着脱をする際にいちいちかがむことなく作業ができます。
ヘッド前面はシャッター構造になっていて、逆三角形の構造で壁際も効率的に掃除ができるようになっています。
お手入れの際はコインやドライバー無しで簡単にブラシを取り外してお手入れができます。
ブラシの毛は赤・水色・青の3種類。
延長管
軽量がウリのラクティブエアですが、延長管もドライカーボン採用で軽量です。
長さは54cm弱といったところ。
延長管の裏側にはレバーが搭載されています(写真右側)。
本体寄りの部分にあるのですが、このレバーを引いて引っ張ることで先端に差し込んでいるヘッドの取り外しが簡単に行えます。
付属品
スグトルブラシ
延長管の先に取り付けるスグトルブラシ。
スグトルブラシは取り付けたままヘッドの着脱ができるので、ちょっとブラシを使いたいときでもサッと取り外して手間無く使うことができます。
前モデルに引き続きなかなか便利な機能。
ハンディノズル
本体に取り付けるハンディノズル。EC-AR3SXから新たに付属するようになりました。
先端はやわらかいゴム素材なので床を傷つけたりすることも無さそうです。
写真のように本体に取り付けたまま延長管の着脱ができます。
こうしたノズルは日立がPV-BEH900のときに導入していましたが、各社もあとを追って導入する傾向があるように思います。
ただ、個体差かもしれませんがちょっと外れやすい気がします。延長管の取り外しの時に一緒に外れてしまうことがありました。
はたきノズル
はたきノズルは延長管の先に取り付けて高いところの掃除に使うことができます。
角度をつけることが出来るのでエアコン室内機の上部や高い棚の上などの掃除に活躍します。
タテヨコ曲がるすき間ノズル
タテヨコ曲がるすき間ノズルは2段階に伸縮が可能。ブラシを出したりしまったりできるのも特徴ですが・・・
やはり伸ばした状態で曲げて使うことができるのが一番の特徴でしょう。
先端に取り付けるノズルと組み合わせれば・・・
棚の下など高さの無いところも効率的に掃除ができます。
コンパクトふとん掃除ヘッド
コンパクトふとん掃除ヘッド(2WAYベンリヘッド)はペットの抜け毛(ソファーカバー)用と・ふとん・カーテン用に切替えて使うことができます。
ヘッドを下から見るとこんな形状になっています。
ペットの抜け毛モードのときはヘッドの前方にゴムのスクレーパーみたいなのがあって、これでペットの毛をとりやすくしているかも。
ふとん・カーテンモードのときは赤色の短い毛でゴミを掻き出すようです。
すき間ノズル
すき間ノズルは特筆すべきことはなさそう。
充電器
EC-AR3SXは充電器でバッテリーを充電するスタイル。充電中は赤いランプが点灯します。完了すると消灯。
バッテリーが2つあるので片方を使いながら片方を充電といった使い方ができるのが魅力です(下位モデルのEC-AR3Sは1つ)。
型番はR1ACE?
バッテリーは本体から簡単に取り外しが可能。
バッテリーの型はBY-5SB。容量は1730mAh 電圧は18Vとなっています。
スティックモード
スティックモードの形状はこんな感じです。
やっぱり軽い!全て合わせて1.5kg(他の掃除機は本体だけで1.5kg以上が多い)なので他の掃除機にくらべてとてもとり回しが楽です。
最近のスティック掃除機が壁掛けができるように滑り止めが付いていますがEC-AR3SXの場合はありません。
壁に立てかけられないこともないですが滑り止めが無い分倒れやすいでしょう。説明書にも「転倒のおそれがありますのでご注意ください」と記載されています。
その代わりにホルダーが付いていて、このホルダー部をテーブルの上などにひっかけて立てかけることができます。
これはこれで便利かもしれませんが、滑り止めも付けてほしかったです。
滑り止めがあれば壁でもテーブルでもいけたのに。
ハンディモード
ハンディモードの形状。
まあこんあもんかなといった感じです。
重量
実際にゴミを吸わせてみる
実際にゴミを吸わせてみたところ、軽量な分吸引力は感じないものの壁際の強さが印象に残りました。
弱モードで壁際の重曹を吸わせてみたところ数回でほとんどの重曹を吸うことができました。
ドアの溝に重曹を撒いて吸わせてみても弱モードでほとんど吸えるという高性能!正直今まで試してみた掃除機の中でトップと言って良いぐらい壁際への強さを感じました。
マットに20gの重曹を撒いての吸引力実験では
- 弱モードで8g
- 自動モードで13g
- 強モードで12g
の重曹を吸うことができましたが、他の掃除機は13g以上吸えるものが多いのでこの点はやや不満の残るところです。強モードより自動モードが1g多いのは誤差の範囲内だと思われます。
自動モードは床の状況に応じてパワーを調節してくれるので自動モードをメインに使うことになろうかと思います。弱モードはフローリングならなんとかなりますが、ちょっと吸引力が弱い気がします。
ただ、前モデルのEC-AR2SXよりは少しパワーアップしている気がします。ヘッドが壁際に強いせいもあるかもしれませんが。
畳マットでのテストでは問題なく重曹を吸ってくれました。
フルパワーモードですが使えるのは5秒弱ほど・・・たしかに吸引力はある気がするのですが、これだけ時間が短いと使いどころはどこなのかといった感じ。
フルパワーモードのことを忘れて強や自動モードで使ってしまいそうです。
バッテリーが2つなのは精神衛生上も良い
電池の残量表示は実質「点灯」「点滅」の2段階なのでもっと細かく残量が分かるようにしてほしかったですが、バッテリーが2個あるのは精神衛生上とっても良いです。
1個が切れてももう1個があるので「ここは強で念入りにやっておこう」とか残量を気にすることなく掃除ができます。
付属品について
各種付属品も試してみました。
ハンディノズルは先端が柔らかくなかなか使いやすそうですが、ちょっとした拍子に外れてしまうのでもうちょっと硬く取り付けられるようにして欲しかったかも。
ハンディブラシはなかなか便利です。延長管の先に付けっぱなしにできるのでちょっと使いたいときにすぐに使えます。
タテヨコ曲がるすき間ノズルは伸ばしたり曲げたりと便利ですがちょっとクセがあるのではじめは思ったように掃除できないかもしれません。
はたきノズルは高いところの掃除に活躍してくれます。角度調節も可能。
ただ、掃除したい場所から天井までのスペースが狭いと引っかかって奥まで掃除できないことがあるかも。
コンパクトふとん掃除ヘッドは赤色の短い毛にけっこう毛玉などのゴミが付着します。ちょっとゴミを取るのが面倒ですが、それだけゴミをキャッチしているともいえます。布団を掃除してみたら細かい粉が取れたので布団掃除の役目は果たしていると思います。
取り回し・お手入れ・騒音
取り回しは、本体や各種パーツが軽いこともあってかなり良好です。
ヘッドが斜めになってしまいがちですが高さの無い場所もわりと掃除がしやすいです。
ヘッドもコインや工具なしで回転ブラシを取り外してお手入れできるのが良いです。回転ブラシの端に髪の毛が絡まりますが、他の掃除機もそうでしょうしまあしょうがないかなといった感じ。
ダストボックスに関してですが、サイクロンのゴミ分離性能は高いとはいえません。メッシュの部分にはけっこう髪の毛が絡まりますし、なんといってもプリーツフィルターでゴミを受け止める仕様になっています。
フィルター自体は高性能かもしれませんが、ここにゴミが溜まるのでお手入れの必要があります。デリケートなのでブラシで直接こすることができませんし、お手入れはちょっとめんどうな感じ。
珍しいことでもありませんが、ダストボックスのパーツは全て水洗いできるので汚れがひどくなったら水で洗ったほうが早いかもしれません。
音はうるさい感じは否めません。やはり本体を軽量にした分、騒音を抑えるのはたいへんなようです。
弱モードで使うときはまあまあといった感じですが、強モードで使うとちょっと高めの大きな音が響きわたります。このあたりは軽さとのトレードオフだと思います。
排気について
排気部分にはプレートみたいなものが取り付けられています。先ほども書いたとおり「SOFT AIR FLOW SYSTEM」なるシステムですが、排気の方向が少し変わるだけで周囲へ排気の影響があることは変わりません。
例えば壁に紙が貼ってあれば排気でヒラヒラと動きますし、テーブルの上に紙があれば排気で飛んだりします。
このあたりは他のコードレス掃除機と変わりません。
EC-AR3SX総評
EC-AR3SXのおすすめポイント
- とにかく軽くて取り回しがしやすい
- ヘッドが壁際に強い
- バッテリーが2個あるので片方を使いながら片方を充電できる
- 付属品が豊富で狭いところや高いところの掃除に活躍する
- ホルダー部をテーブルなどに引っ掛けて置くことができる
EC-AR3SXのマイナスポイント
- 軽い分吸引力は落ちる
- バッテリーの残量表示は点灯・点滅とアバウト
- サイクロン部にプリーツフィルターがありお手入れは手間
- 軽量化した分音はやや高くて大きい
- 本体に滑り止めが無いので壁掛けしたときに滑りやすい
吸引力を求める人やお手入れが簡単なほうが良いという人には向きません。
軽量で取り回しが楽なのは従来のラクティブエアから変わりませんが、びっくりしたのはヘッドの性能でした。新搭載のシャッター構造は非常に壁際に強く、一押しポイントです。この点はEC-AR2SXから大幅にパワーアップしていると思います。
吸引力の面ではカーペットやじゅうたんはちょっと不安ですが、フローリングならばメインで使っても良いかもと思わせ性能でした。
とにかく軽くて付属品が多いので細かいところや高いところの掃除がしたい人にぴったり。
フローリングの家ならメインの掃除機として(他の掃除機より吸引力が少し落ちます)、それ以外の家は高い場所や狭い場所など、かゆい所に手が届く掃除機として活躍してくれるでしょう。
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