掃除機の選び方のポイント・本体の形状や紙パックサイクロンの違いなど

今回は掃除機の選び方について思うところを書いていきます。
サイクロン式は万能じゃないよ

掃除機の方式として大きく分けてサイクロン式と紙パック式があります(フィルターでゴミを受け止めてカプセルにゴミを溜めるカプセル式もありますが)。
サイクロン式ってここ十数年で普及しましたし、ハイテクなイメージがあって、なんでもかんでもサイクロン式が優れていると思っている人もいるようです。ですがサイクロン式紙パック式それぞれにメリットデメリットがあります。
そんなわけでまずは紙パック式とサイクロン式のメリットデメリットについてまとめてみたいと思います。
紙パック式とサイクロン式のメリットデメリット
紙パック | サイクロン | |
メリット | ・紙パックを捨てるだけなのでお手入れの手間が少ない ・集じん容量が大きい | ・紙パックを買って用意しておく必要が無い ・紙パックのランニングコストがかからない |
デメリット | ・紙パックを買ってストックしておかなくてはならない | ・ダストボックスのお手入れが手間 ・集じん容量が小さい |
人によって捉え方が違う要素も
この他の要素としては、紙パック式は吸ったゴミが見えないけどサイクロン式は見えるという違いがあります。ゴミが見えるとどのぐらいゴミが取れたかわかってモチベーションが上がるという人がいる一方でゴミは見たくないという人も居て人によって評価が違います。
また、紙パック式はゴミを毎回捨てなくても良いという人もいればサイクロン式は掃除のたびにゴミを捨てられてゴミを溜めることがないので良いという人もいます。
こうした要素も含めてどちらの方式が良いのか決めていきましょう。
紙パック式とサイクロン式の吸引力について
紙パック式はゴミが溜まっていくうちに吸引力が落ちていく傾向にありますが、その分基本的な吸引力が高い傾向があると思います。
サイクロン式は規定の容量まではゴミが溜まっても吸引力は落ちにくいですが、サイクロンの渦を起こす分吸引力が分散されています。
こうした点も覚えておきたいポイントです。
紙パック式は純正品を使わないと性能が落ちる

あと、紙パック式で注意しておきたいのが紙パックの質です。メーカーサイト等に記載されているスペックは純正の紙パックを使用した場合であり、安物の汎用紙パックでは性能を発揮しきれないことがあります(故障の際の保証もうけられない可能性が)。
割り切って汎用品を使うのならば良いですが気をつけておきましょう。
掃除機の形状
掃除機の形状は大きく分けて3つ、本体に車輪が付いているキャニスター型、最近コードレス掃除機に良く見られるスティック型、局所的な掃除に使うハンディ型です。
型にかけて使うショルダー型などもありますがここでは3つを紹介します。
キャニスター型

日本人には一番馴染みの深い形かもしれません。
床に置いて使うので手元のへ負担が少ないですが、移動するたびに本体を気にしながら移動しなければならないので機動力には欠けるかもしれません。
軽量コンパクト化が進んでいますが他の形状にくらべるとモーターなどのスペースに余裕のある設計ができそうです。
有線式の掃除機をイメージする人がほとんどだと思いますが、近年ではコードレスタイプも登場して話題になっています。
スティック型

縦に長いタイプの掃除機。コードレス掃除機でよく見られる形状です。スリムで移動の際にもすんなり移動できますがモーターやダストボックスとハンドル部分が一体化しているため、手元の負担はキャニスター型よりも大きくなる傾向があります。
ハンディ型

スティック型よりもさらに持ち運びが簡単な小型の掃除機です。
広範囲を掃除するよりもピンポイントで掃除をする用途に向いていてサッと取り出して使えるのが特徴です。
逆に広範囲を掃除するのは苦手でパワーも他のタイプに比べると劣ることがあります。
コードレスと有線どっちがいいの?
コードレス掃除機が登場したばかりのころは運転時間も短くパワーもそれほどではありませんでしたが、近年では飛躍的に性能が上昇し、売り上げでも有線式を逆転しました。
コードレス掃除機の優位性が高まっています。
基本的なことを言えばやはり優先のほうがパワーが安定していますし、電池切れの心配も有りません。価格も安いものがあります。
コードレスはやはり「コードが無い」これに尽きます。いやまあコードレスなんだから当たり前なんですけどコードが無いことによる取り回しのしやすさ。これを体験するとなかなか有線式には戻れません。
ヘッドの種類
床に接触するヘッドの部分。この部分がゴミの集じんに影響してくるわけですが、大きく分けて3つのタイプがあります。回転ブラシの無いヘッド・タービンヘッド・モーターヘッド・自走式のモーターヘッドの4つです。
回転ブラシの無いヘッド

便宜上こうやって呼ぶことにしましたが、ヘッドに回転ブラシを搭載していないタイプです。
マキタなど工業用の掃除機に見られます。ゴミを掻き出しにくいのでじゅうたんは苦手です。
エアタービン

掃除機が空気を吸い込む力を利用してブラシを回転させるタイプのヘッドです。空気の力が必要なので床にヘッドをくっつけていないと回転しません。
モーター式にくらべると掻き出すパワーは弱め。
価格が安くなる傾向があるのとモーターが無い分軽いのがメリットです。
モーターヘッド
ヘッドにモーターが搭載されていてモーターの力でブラシが回転するタイプです。
モーターの力でブラシが回転するのでパワフルでじゅうたんやカーペットのゴミも掻き出してくれます。
自走式モーターヘッド

モーターでブラシが回転するのに加えて、ヘッドが前に進むようになっています。
あまり力を入れなくても進んでくれるので力の弱い人でも掃除がしやすいです。
吸引力の目安となる数値について
吸引力の目安となる数値については吸込仕事率(W)・ダストピックアップ率・真空度(Pa)があります。
吸込仕事率
日本電気工業会企画というところが定める規格です。
掃除機にヘッドは取り付ていない状態で、延長管の先に測定器を取り付けて風量と真空度を測定し、定められている係数を風量に掛け、真空度にも掛けて算出するようになっています。
- 0.01666×風量(立方m/min)×真空度(Pa)=吸込仕事率
という計算式になります。
ヘッドを着けずに計測しているというのがネックです。ゴミじゃなくて空気を吸い込んでいる点も実際の使用環境からかけ離れています。
よって絶対的な数値ではなくあくまでも目安というふうに捉えましょう。
ダストピックアップ率
国際電気標準会議(IEC)というところで定められた測定方法です。
床にゴミを撒いて実際に掃除機で吸わせて、残ったゴミがどのぐらいだったかを数値化したものです。
「これって実使用環境に近いやん!」と思ったかもしれませんが、土足文化である欧米の基準であるので吸わせるゴミが「けい砂」です。ホコリが家庭での主なゴミであろう日本の家庭とは測定環境が違うわけです。
よって国内メーカーではこのダストピックアップ率を表示しているメーカーは少ないのが現状です。
真空度
中華製掃除機の吸引力を示す数値としてよく使われています。
測定方法は明示されていないので断言はできませんがこちらもヘッドを付けない状態で測定しているのではないかと思われます。
よってこちらも目安に留めておいたほうが良いでしょう。
騒音値もチェック?
騒音値ですが他の家電と同じくdB(デシベル)で表されます。
スペックを見ると50dB前後から60dB後半の掃除機が多いようです。
コードレス掃除機に時々あるのですが、数値が近くても音の傾向が高音でキーンと響くタイプと低音よりのタイプがあって数値では判断しきれない音の好みもあります。
騒音の目安は下記を参考にしてください。
騒音レベル[dB] 道路騒音などの不規則変動音 自室内の聞き騒音 共用設備(自室外)からの騒音 75 非常にうるさい うるさくて我慢できない うるさくて我慢できない 70 かなりうるさい 非常にうるさい うるさくて我慢できない 65 非常に大きく聞こえ、うるさい かなりうるさい、かなり大きな声を出さないと会話ができない 非常にうるさい 60 かなり大きく聞こえややうるさい 非常に大きく聞こえうるさい、声を大きくすれば会話ができる 非常に大きく聞こえかなりうるさい 55 大きく聞こえ、少しうるさい かなり大きく聞こえる、多少注意すれば通常の会話は可能 非常に大きく聞こえうるさい 50 多少大きく聞こえる 大きく聞こえる、通常の会話は可能 かなり大きく聞こえる 45 聞こえるがほとんど気にならない 多少大きく聞こえる、通常の会話は十分に可能 大きく聞こえ、気になる 40 小さく聞こえる 聞こえる会話には支障なし 多少大きく聞こえる 35 非常に小さく聞こえる 小さく聞こえる 聞こえる 30 ほとんど聞こえない 非常に小さく聞こえる 小さく聞こえる 25 通常では聞こえない ほとんど聞こえない 非常に小さく聞こえる
重さ
取り回しの面で重さも気になるところです。
ただし軽さを重視した設計で吸引力が多少犠牲になっているモデルもあるので注意が必要です。
有線式のキャニスター型掃除機ではパワーが落ちてもそんなに支障は感じない場合がありますが、コードレスで軽さをウリにしている機種だと明らかにパワーが落ちるなと感じることがあります。
軽いと取り回しが楽でいいのですが、軽さと吸引力を両立するというのは難しいことです。軽けりゃいいってもんじゃないということは覚えておきましょう。
ゴミの捕集率
いっとき、ゴミの捕集率が99.98%みたいなのが流行りました。高性能なフィルターを用いて非常に補修率が高いことをアピールしているわけですが・・・
個人的にはそこまで高い数値を求めなくてもよいと思っています。掃除をしている最中は部品のつなぎ目から空気が漏れていることが考えられますし、埃は舞い上がりますし、そんな細かいところまで求めることがあるのかと・・・
どうしてもこだわりたい人は止めはしませんが、そこまで気にする要素では無いと思います。
使う人の性格を考えてみて

ということで今回は掃除機の選び方でした。
掃除機は使う人の性格によって捉え方が変わってきます。
「紙パックを買いに行くのが面倒だからサイクロンのほういいや」とか、「掃除に取り掛かるまでがおっくうだからすぐ掃除できるコードレスにしよう」とか自分の性格を分析してみるのも一手だと思います。
私の場合はコードレス掃除機を導入したことで掃除の頻度が飛躍的に上がりました。また子供さんのいる家庭ではコードレス掃除機にしたら面白がって掃除を手伝ってくれるようになったという話もあります。
こうした観点から見てるのも面白いかもしれません。
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