エアコンの高機能機と普及機の違いはどんなところか比較!機能を一覧にしてみる

2022年6月4日エアコン,選び方

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エアコンを購入するにあたって気になるのが機能面の違い。

価格の安いスタンダードな普及機から10万円以上する高級機まで非常に選択肢が豊富でどれを選んでいいのか迷ってしまいます。そこで今回はエアコンの主な機能を一覧にして比較してみたいと思います。

エアコンの代表的な機能一覧とカンタンな説明

給気換気/排気換気室内の空気を換気してくれる機能
無給水加湿屋外の水分を取り込んで室内を潤してくれる機能
内部クリーンエアコンの熱交換器などを洗浄してくれる機能
汚れにくい構造親水性素材や疎水性素材を使ってエアコン各部が汚れにくくなる
自動お掃除フィルターを自動で掃除してくれる機能
センサー・AI各種センサーで部屋の状況を判断してくれる機能・AIとの組み合わせで室内環境や運転履歴をもとに運転をコントロールしてくれるものも
気流制御気流をコントロールして効率的に冷暖房を行ってくれる機能
除湿寒くなりにくい除湿など
寒冷地仕様寒冷地向けに暖房性能を強化したエアコン
空気清浄・イオンアレル物質などをエアコンのフィルターでキャッチする機能
メーカー独自のイオンを放出して臭いなどを抑制する機能
スマートフォン連携・音声操作スマートフォンからエアコンの操作ができる機能
音声で運転のアドバイスをしてくれる機能

ざっと挙げてみましたが、おおまかにこんな感じに分類できるかと思います。それぞれをもう少し細かく見ていきます。

一応、普及機の扱いはそれぞれのメーカーの一番安いモデルということで話を進めていきます。

給気換気/排気換気

近年登場した機能です。「エアコンって外の空気を取り込んでいるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、エアコンの機能自体は熱を交換するものであって空気を入れ換えているわけではありません。

そこに給気の機能を付加することで新鮮な空気を取り入れることができるようになっています。

ダイキンは2022年から新たに排気もできる機種を投入し、この分野では先んじている印象があります。ただし給気と排気の両方の機能があるのはハイスペックモデルのみでその他のモデルは機能を搭載していても給気のみとなっています。

エアコンの換気機能についてはこちらの動画が参考になると思います。

また、ダイキンではありませんが、パナソニックには外気に含まれる水分を除去し乾いた空気を送り込むことで湿度を下げる機能を搭載したエアコンがあります。

無給水加湿

加湿には給水がつきものですが、外気に含まれる水分を取り込んで温風と同時に噴き出す機能を備えたエアコンもあります。

外気中の水分を取り込むので給水の手間が無いというメリットはありますが、室内の湿度が低いときはたいてい外気の湿度も低く加湿の効率が落ちてしまいます。こうした点から効率面がいまひとつであるという声もあります。

ダイキンの場合は外気温-10℃以下、外気相対湿度が20%以下の場合は加湿運転できないとのこと。また、外気温相対湿度が20%以下の場合は加湿量が20%低下するとのこと。

参考までにダイキンの動画を。

ダイキンだけでなくパナソニックのエアコンでも加湿機能を搭載したものがありますが、効果に関しては大きな違いは無いと思われます。

●加湿条件は室内温度12℃以上湿度70%以下、屋外温度-10℃~24℃です。運転条件以外では加湿を行いません。

●外気相対湿度が20%低下すると加湿量は最大20%程度低下します。

https://panasonic.jp/aircon/22feature/airsupply.html

との記載があります。

こうした機能はだいたい廉価モデルには搭載されていませんが、中には換気ができつつ、他の機能を抑えたモデルもあります(ダイキンのVXシリーズなど)。

内部クリーン

エアコンの熱交換器(フィンがたくさん並んでいる部分)は使っているうちに埃などが詰まって効率が落ちてしまいますが、この部分を洗浄したりカビやニオイの発生を抑えたりするための機能です。

冷房や除湿で室内機の内部を乾燥させるといったものから結露水で熱交換器を洗浄したりと様々です。タイマーで運転後に内部クリーンを行ってくれるモデルもあります。

熱交換器を凍らせて霜を付け、霜を一気に溶かすことで汚れも一緒に落とす日立の凍結洗浄なども注目されました。

凍結洗浄なんかはスタンダードモデルにも搭載されていますが、高級機とくらべるとタイマー機能が無かったり、イオンの機能が無かったりと少し機能面で劣ります。

汚れにくい構造

高級機は熱交換器に親水性のコーティングが施されていたり、各種パーツに除菌、防汚加工が施されていたりと汚れにくくなっています。

普及機もこうした仕様になっているものもありますが、高級機と比べると加工されている部分が少なかったりします。

例として三菱電機のよごれんボディや日立のステンレスクリーンなどがあります。

自動お掃除

エアコンのフィルター部分をロボットが自動でお掃除してくれる機能です。

フィルターだけでなくファンに付いた汚れをブラシで落としてくれるものもあります。

パナソニックのエアコンは埃を屋外へ自動排出してくれるものがあるなど力が入っている印象です。

ただし、こうした自動お掃除機能は

  • 構造が複雑になるのでクリーニングを業者に頼んだ際に高くなる
  • エアコンの故障率が上がる
  • ホコリ自動排出モデルは排出口の弁が詰まる可能性がある

といったことなどから敬遠する人もいます。

フィルターの自動お掃除機能は普及機には搭載されていませんが、1つ2つランクを上げると搭載されているものがあります。

センサー・AI

部屋の形、家具の場所、人の位置や活動、日射の変化など・・・機種にもよりますが部屋の状況をエアコンがチェックして運転を最適化してくれる機能です。

高級機になるほどセンサーの種類が多く、より細かくセンシングしてくれる傾向があります。普及機にはセンサーは搭載されていません。

また、センサーの検知内容や運転履歴などを学習して最適な運転を行ってくれるAIと組み合わせることでより効率よく運転してくれるエアコンもあります。やはりこちらも高級機には搭載されていますが、普及機には搭載されていません。

参考として富士通の動画を貼っておきます。

気流制御

暖房時に垂直に気流を送って足元から温めたり、冷房時に天井から気流を回したりと効率よく暖気や冷気を送り込むための機能です。

メーカーごとにフラップに様々な工夫が見られ、大きなパネルで遠くへ気流を届けたり、分割されたフラップで別々の方向へ風を送ったり、室内機の上部にフラップを搭載していたりと様々なものがあります。

富士通は室内機の両サイドにファンを搭載したモデルがあります。

価格の安い普及機はこうしたファンは当然ありませんし、フラップも1枚だけです。

除湿

除湿と言っても種類があり、微弱な冷房をつづけて湿度を下げる「弱冷房除湿」と空気をいったん冷やして除湿し温めてから室内に戻す「再熱除湿」という方式があります。

再熱除湿は部屋の温度が下がらないので気温が低くて湿度が高いという日に有効ですが、空気を温めるのでその分電気代が高くなってしまいます(再熱除湿も省エネ化が進んでいますがそれでも冷房より電気代が高いようです)。

普及機は弱冷房除湿のみ搭載されています。

ちなみにパナソニックは業界初となるドライ給気制御機能を搭載したエアコンを発売しています。

室外機に搭載された「換気・除加湿」ユニットによって水分を取り除いた空気を部屋に送り込むことが可能となっているようです。

寒冷地仕様

エアコンで暖房を行う際は外気から熱を集めて室内をあたためますが、外気温が低くなる寒冷地ではなかなか室内があたたまりません。そこで寒冷地用によりパワフルな室外機にしたり、熱交換器を工夫したりして寒冷地に対応したのが寒冷地仕様のエアコンです。

寒冷地仕様を選ぶ目安として「最低気温が-10℃になる地域」といったことが言われています。

パワーが強力な分やはり普及機よりもお値段は高くなってしまいます。

各社寒冷地仕様のエアコンを発表していますが、一例としてパナソニックの動画を貼っておきます。

空気清浄・イオン

エアコンには空気清浄機能が付加されたものがあります。空気清浄の方法はフィルター式のほか、放電でイオンを発生させて汚れを帯電させ集じんする方式や、ファンで吸い込んだ汚れに放電して帯電させてから電極やフィルターに吸着させる方式があります。

シャープは「JEM1467」という空気清浄機の規格をクリアした空気清浄機能を業界で初めて搭載しています。

しかしこうした機能は高級機にしか搭載されていません。

またイオンに関してですが放出することによってカビ菌や浮遊菌、臭いなどに効果があると言われています。パナソニックのナノイーやシャープのプラズマクラスターが有名です。ただし、効果に関してはプラシーボだと主張する人もいて評価が分かれる機能です。

プラズマクラスターは普及機にも搭載されていますが、高級機とくらべると濃度が低くなっています。

スマートフォン連携・音声操作

インターネットに接続することでスマートフォンと連携して、外出先などから操作ができる機能です。またスマートスピーカーを用意すれば声で操作することも可能に。

エアコン側は無線LANを内蔵しているものを用意するか別売りのアダプターを用意する必要があります。その他はスマートフォンとネット環境、無線LANブロードバンドルーターが必要となります。

高級機は無線LANが内蔵されていますが普及機は別途アダプターが必要になる場合が多いです。

ちなみにアイリスオーヤマからはネット環境が無くてもリモコンに話しかけると操作できるエアコンが発売されています。


ということでかなりザっとした感じですが違いについてまとめてみました。高級機は便利な面もありますが正直「過剰なんじゃないの」と思える機能も多々あり、実際に使うのかどうかよく考えて購入することも大切だと思います。

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