パナソニックMC-NS10Kレビュー!吸引力・クリーンドック・使用後の汚れなど!

2022年12月12日コードレス紙パック,掃除機レビューパナソニック

パナソニックから登場したセパレート型コードレスMC-NS10K。セパレートというネーミングの通りごみを貯めておく部分が本体と切り離されており、充電台にセットした紙パックに溜まるようになっています。

以前、東芝から似たようなコンセプトの掃除機が発売されましたが、スティックタイプの掃除機としては初めてではないでしょうか。

実際にところどんな使い心地なのか気になっている人も多いと思うのでレビューしていきたいと思います。

MC-NS10Kのスペック

まずはスペックを確認しておきたいと思います。

集じん方式スティック:紙パックレス式
充電台(クリーンドック):紙パック式
集じん容積スティック:0.05L
クリーンドック:0.8L
運転時間HIGH:約6分
AUTO:約10~約15分
充電時間約3時間
電圧14.4V
運転音スティック:72~約64dB
充電台(クリーンドック):約69~約27dB
本体寸法 幅×奥行×高さスティック時:213×130×1030
本体:54×65×540
充電台(クリーンドック):134×き282×417
本体質量スティック時:1.5kg
本体:0.8kg
充電台(クリーンドック): 3.0kg
付属のノズルすき間ノズル
その他仕様などヘッドのブラシはからまないブラシを採用
ヘッドを浮かせると運転が停止するアイドリングオフ機能
クリーンセンサー搭載・ごみの状況をランプでお知らせ
充電台はナノイーX搭載でゴミのにおいを抑制

スティックタイプのコードレスだとサイクロン式が多いですが、MC-NS10Kは本体がかなりスリムなこともあってサイクロンではありません。フィルターでゴミを受け止める構造になっています。

集じん容量は充電台側は紙パックなので0.8Lとけっこうありますが、本体側は0.05Lとかなり少ないです。毎回掃除が終わったら充電台でごみを吸引することを想定しての容量でしょう。

運転時間はHIGHモードで約6分、AUTOモードで10~15分。スティック時の質量が1.5kgと軽いのですがその分運転時間が短くなっている印象です。

MC-NS10K開封の様子

MC-NS10Kの内容物

MC-NS10Kの内容物

内容物は本体、ハンドル、ヘッド、すき間ノズル、充電台。そして説明書とお手入れ方法が書かれたカードと少なめ。ノズルも最低限なので床の掃除がメインとなるでしょう。

MC-NS10K本体

MC-NS10Kの本体
本体上下

本体上部には充電台が本体からゴミを吸引するための吸引口、排気口、センサーランプ、バッテリーランプ、電源ボタンが配置されています。

本体の裏側にあるボタンはヘッド着脱のためのボタンです。

MC-NS10Kの本体左右
本体左右
MC-NS10K本体前後
本体前後

本体前方は吸い込み口ですが、奥をよく見ると左右にセンサーがあるのがわかります(写真だとほとんどわかりませんが)。※位置を知りたい方はこの記事最後のほうにある使用後の写真参照のこと。

本体後方にはハンドルを接続した際に操作ボタンが使えるよう電気配線があります。

MC-NS10K電源ボタン
電源ボタンとランプ

本体の電源ボタンは1つのみ。ボタンを押すとHIGHモードで動作します。ハンドルを接続するとAUTOとHIGHから選べるのですが、本体のみで使う場合はHIGHのみです。

細長いランプはセンサーランプ。検知したゴミの量に応じて点灯の仕方が変わります。

検知量が少ないほうから順に、青→赤点灯→赤点滅→赤点滅(高速で点滅)という光り方をします。

バッテリーランプは1つのみ。残り少なくなると点滅してくれますが、少なくなるまで電池残量がわかりません。運転時間が短めとはいえもう少し細かく教えてもらいたいものです。

MC-NS10Kのバッテリー

MC-NS10Kバッテリーカバー
バッテリーを取り外したところ

バッテリーは本体のカバーをネジで外すとバッテリーがお目見え。

取り外して交換することができます。

MC-NS10Kフィルターケース取り外し
バッテリー

バッテリーの品番はAVA97V-0A。

MC-NS10Kのフィルターケース

MC-NS10K
取り外しはボタンをスライドさせながら

この掃除機はダストボックスの代わりにフィルターケースというものが搭載されています。

充電台にゴミが吸引されるまではここにゴミが溜まるので実質ダストボックスみたいなものですが、フィルターケースという名称になっています。

MC-NS10Kフィルターケース
フィルターケースを取り外したところ
MC-NS10Kプレフィルター
モーター手前にあるフィルター

本体側にはプレフィルターがあります。

MC-NS10Kフィルター全容
フィルター部を分解したところ

フィルターケースは2つのプラスチックパーツと3つのフィルターから構成されています。

写真左から、フィルターふた、フィルター、スポンジフィルター、不織布フィルター、フィルターカップという名称です。

MC-NS10Kフィルター全容2
別角度から

なんだかんだでフィルターは3つもあり、よく言えば「3段階のフィルターでごみを分離できる」、悪く言えば「フィルターが多くてお手入れがめんどくさい」といった感じでしょうか。

MC-NS10Kのハンドル

MC-NS10Kハンドル
上・横・下

掃除機をスティックモードで使う際のハンドルは直線的なデザイン。

特に握りやすさ等は考慮されていない感じです。

MC-NS10K操作ボタン
操作ボタン

操作ボタンは2つ。

電源ボタンとHIGH・AUTOの切り替えボタンが配置されています。

MC-NS10Kのヘッド

MC-NS10Kヘッドの表と裏
ヘッドの表と裏

ヘッドのブラシには「からまないブラシ」というブラシが採用されています。円すい形のブラシが左右配置されていて、髪の毛や糸くずが絡みにくい設計です。

MC-NS10Kヘッドの幅
ヘッド幅は約21cm

ヘッドの幅は約21cm。わりとコンパクトな感じです。

MC-NS10Kヘッドの前後
ヘッド前後
MC-NS10Kヘッド可動域
ヘッド可動域

ヘッドの可動域は有名メーカーの高級機にしてはけっこう狭い印象を受けました。

本体をひねればフラットになって棚下の掃除もできるのですが、左右の可動域はいまいちな感じ。まあ、普通に床を掃除する分にはたいして問題ないんでしょうが。

MC-NS10Kのすき間ノズル

MC-NS10K隙間ノズル

すき間ノズルは普通。

MC-NS10K充電台(クリーンドック)

MC-NS10Kクリーンドック
充電台前後

この掃除機の最大の特徴はやはり充電台。ゴミを吸い込んで貯めておくので大き目の構造になっています。

MC-NS10Kクリーンドック左右
充電台左右

左右の上のあたりには吸気口。左側の下のあたりには排気口があります。

MC-NS10Kクリーンドックの仕様
充電台裏面の表記

裏面には消費電力が書かれていますが、定格消費電力が800Wでした(定格時間17秒との表記あり)。掃除機内部のゴミを吸い込むのでけっこう電気を食うようです。

MC-NS10Kクリーンドックの蓋
充電台上部

充電台上部は蓋があってパナソニックとナノイーXのロゴが入っています。

ナノイーXはパナソニックの家電に搭載されている機能で臭いを抑える効果があると言われています。充電台内部に溜まったゴミの臭いを抑えることを目的に搭載したのでしょう。

ただ、ナノイーはプラシーボだという人もいて評価の分かれる機能です。無いよりはマシぐらいで考えておいたほうがいいと思います。

臭いが強い物は吸わせないなど一般的な紙パック掃除機と同じような扱いをすべきでしょう。

MC-NS10Kクリーンドック内部
蓋を開けたところ

蓋を開けると内部には紙パックケースと紙パックがセットされていました。

ちなみに充電台上部には紙パック交換ランプが搭載されており、ゴミがたまると点滅して教えてくれます。

MC-NS10K紙パックケース
紙パックと紙パックケース

ケースは上に持ち上げると取り外すことができます。

MC-NS10K紙パック
紙パックとケースを分離したところ

紙パックはS型、品番 AMC-U2が使われていました。

MC-NS10Kクリーンドック内部フィルター
充電台内部のフィルター

充電台内部にも簡易的なフィルターがあり、内部に細かなゴミが入り込むのを防ぐようになっています(それでも紙パックを取り出す際にゴミがこぼれないよう注意した方が良いですが)。

MC-NS10Kクリーンドックと本体
充電台に掃除機をセットしたところ

充電台に掃除機をセットするとゴミの吸引がはじまり、充電も行ってくれます。

ゴミの吸引は十数秒ですが、音がけっこう大きく、夜間の使用は注意が必要です。

充電台前方にあるボタンを長押ししてから掃除機をセットすると一時的に吸引を停止してくれるので、集合住宅ではこの機能を利用したほうがいいかもしれません。

MC-NS10K充電中
充電中はランプが青く点灯・完了すると消灯

MC-NS10K各部の重量

MC-NS10K本体重量808g
本体808g
MC-NS10Kヘッド重量464g
ヘッド464g
MC-NS10Kハンドル重量165g
ハンドル165g

本体、ヘッド、ハンドルの合計は1437gで公称値よりもやや軽かったです。

MC-NS10K隙間ノズル19g
延長パイプ19g

MC-NS10Kを組み立ててみる

MC-NS10K持ったところ
170cm弱の人が持ったところ

スティックタイプに組み立てて持ったところです。もった感じサイズ感はそれほど悪くありません。長すぎたらハンドルの持つ場所を変えて対応できますし。

ただ、重心が床よりなためか1.5kgという数字ほど軽快な感じはありません。また、ハンドルは特に持ちやすい加工がされているわけでもないので長く持っているとやや疲れる感じがあります。

高級機なので持ちやすさはもうちょっと考慮してほしかったなというところです。

MC-NS10K本体とすき間ノズル
本体にすき間ノズルを付けたところ

ハンドルを外して持ってみました。

本体が細長いのでハンディタイプというにはやや大きい感じがします。ヘッドを取り付けたまま使うほか、すき間ノズルを取り付けて細かい場所の掃除にも使えます。

MC-NS10Kの取り回し・排気・騒音レビュー

各部チェックの様子や取り回し、騒音等に関しては動画にしてみました。

ヘッドはブラシが取り外せないので細かくお手入れできないのも気になりますが、スティックモードにして動かす際に可動域が狭いのが気になります。やっぱり高級機にしては狭いなと。

全体的な取り回しは値段のわりにいまひとつだなという感想を持ちました。セパレート型コードレスというほかにあまり例が無い構造であることで価格が高くなっている感があります。

充電台はやはり吸引時の音が気になります。慣れてくればそんなでもないんでしょうけど。

MC-NS10K吸引力レビュー

吸引力レビューでまず気になったのはフィルターケースの容量。重曹を吸わせるとすぐにいっぱいになって保護機能が働いてしまいます。保護機能が働くとゴミを全く吸わなくなるので大量のゴミを吸わせることはできません。

普通に床を掃除する分にはいいのですが、子供が調味料等を大量にこぼしてしまった・・・みたいなシーンには使いづらいです。

センサー機能は重曹や小麦粉にきちんと反応し、パワーを上げているのがわかりました。効果ありです。

壁際の掃除はまずまず。一往復でごみが完璧に取れるわけではありませんが、ヘッドを横にスライドさせることでだいたいのゴミは取れる感じでした。

紙くずやなどのかさばるゴミはフィルターケースの容量が小さいこともあって吸わせるのはあまりおすすめできません。糸くずや髪の毛といったゴミはからなまいブラシがきちんと力を発揮してくれてほとんど絡むことは無かったので十分対応できるでしょう。

重曹20gをマットに撒いてどのぐらい吸えるのか検証してみたところ、AUTOで12g、HIGHで14gという結果になりました。特別吸えるというわけではありませんが電圧14.4Vの掃除機ならこんなもんかなという印象です(電圧が高いほどパワーが出る傾向がある)。

重曹と小麦粉を畳に撒いて吸わせてみたところ、吸引自体は問題ないのですが、小麦粉を少し多めに吸わせるとフィルターが詰まるのか保護機能が働いてパワーが落ちました。細かな粉状のものを吸わせるのは避けた方がいいのかもしれません。

MC-NS10Kのからまないブラシは本当に絡まないのか

ヘッドにはからまないブラシが採用されているということで、糸くずとビニール紐を吸わせて絡まないかどうかを確認してみました。

糸くずはブラシの端に絡まるものがありましたが、絡まる確率は低く効果を発揮してくれているのがよくわかりました。しかしビニール紐は内部に絡まってしまったので、あまり太い物を吸わせるのは考えものです。

まあ、そもそも本体自体の集じん容量がかなり小さいので長いビニール紐を吸わせるのが無謀だったのかもしれませんが。

充電台(クリーンドック)はどのくらい吸引してくれる?

気になる充電台の吸い込みも確認してみました。

大きな音で吸引するだけあって大体のものは吸い込んでくれますが、完全にすべてのゴミを吸い込んでくれるわけではないのでときどきフィルターケースの確認はしたほうが良いでしょう。

MC-NS10K使用後の汚れ具合

使用後の汚れも確認してみました。小麦粉や重曹を吸わせるといった検証のあと、普通にフローリングや畳の部屋を掃除して汚れ具合を見ています。普通に使った場合でもフィルターケース内のフィルターにほこりが付着していました。

こうしたゴミは充電台ではなかなか吸い切れないので部屋の掃除をしたら何回かに1回はフィルターケース内を確認しておきたいものです。

粉状のゴミが紙パック内にたくさん溜まった場合は、紙パックを取り出す際にゴミがこぼれ落ちることがあるのでゆっくり慎重に行ったほうがいいかもしれません。

最後にフィルターケースの容量も量ってみましたが、0.03L程度でした。わかっていたことではありますが集じん容量は相当少ないです。

使用後の写真

使用後ですが、重曹を吸わせるとやはり各部に付着して残ります。

これはMC-NS10Kだけでなく他の掃除機にも言えることであってMC-NS10Kが特別悪いわけではないのですが確認しておきます。

MC-NS10Kセンサー
センサー部

本体の吸引経路にけっこう重曹が付着していました。このあたりにはセンサーがあり、あまり付着が激しいとセンサーに影響がでるかもしれません。柔らかい布でセンサー部をから拭きすることでお手入れができます。

MC-NS10K使用後の汚れ
フィルターケースを取り外した本体

本体側もフィルターケースの接続部付近に粉が付着しています。

MC-NS10K使用後のヘッド汚れ
ヘッドのブラシ

ヘッドは透明なカバーの裏側にけっこうゴミがつきますが、カバーは水洗いができるのでお手入れは簡単。

MC-NS10K使用後のヘッド汚れ2
ヘッドの裏側

ヘッドの車輪は少しゴミが付きにくい加工がされているようなのですが、やはり粉が付着します。

からまないブラシは髪の毛が絡まないので便利ですが、取り外しができないのでヘッド内部までしっかりキレイにお手入れしたい場合は邪魔になってしまいます。気にしない人からするとそれでもいいかもしれませんが。

MC-NS10Kクリーンドック使用後の汚れ
充電台の内部

充電台内部は紙パックとの接続部分である黒いゴムにゴミが残りやすいです。

この部分に付着したゴミが内部に落ちると、内部にフィルターがあるとは言え、充電台のモーターにまでゴミが達することも考えられるので慎重にお手入れしたい部分です。

MC-NS10Kのおすすめポイント・マイナスポイント

おすすめポイント

  • 充電台がゴミを吸引してくれるので本体に溜まったゴミを捨てなくても良い
  • 本体がスリムで軽量
  • からまないブラシでヘッドに髪の毛が絡みにくい

マイナスポイント

  • フィルターケースの集じん容量が非常に少ない
  • 1.5kgと軽量だが数値ほど軽快さを感じない
  • パナソニックの高級機のわりにヘッドの可動域がそんなに広くない
  • バッテリーの残量表示ランプが1つのみ
  • 充電台がゴミを吸引してくれるが本体のフィルターケースのお手入れは必要

電圧14.4Vの掃除機としてはまあまあの吸引力を持っているという印象でしがた、それ以外の部分で気になる点がいろいろとありました。

充電台がゴミを吸引してくれるというのがこの掃除機の最大の特徴なわけですが、結局本体内部にはフィルターがあり、お手入れをしなくてはなりませんし、充電台の紙パックもいずれは交換しなくてはなりません。

本体からゴミを捨てる手間は省かれ、紙パックでゴミ捨ての回数が格段に少ないというメリットはあるものの、本体と充電台と2か所お手入れする部分があるわけで・・・めちゃくちゃ便利かというと微妙なところです。

本体にゴミを溜めない仕様なのでスリムな形状をしていますが、重心が下の方にあるせいか見た目ほど軽快感も無いように感じました。ハンドルも持ちやすいというわけではありませんし・・・

価格を見るに高級機としての位置付けでしょうからもう少し頑張ってもらいたい掃除機です。

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